儀式
この部屋の外には「あれ」や「これ」
あるいは「それ」など
胸の悪くなるものがうろついて
いつも隙あらば僕の部屋に押し入ろうとしている
無表情のままに
僕が壊してしまった窓から入ってきたのは
きっとそのうちのどれかに違いない
暗くなった部屋の真ん中で僕は
まともな顔さえ持たない
そいつを分類しようと目を凝らす
見つかるはずもない
不確かなものでしかない「それら」が
お! とか
えっ! とか声を出し
僕を脅かすけれど
暗がりを窓の外まで押しもどし
ふさいでしまえば僕の勝ち
安心した僕は
電灯を消して眠るのだ
蛍鳥賊のように
満足の青白い光を躰から発して