校長先生の帽子 僕は 校長先生が嫌いだ ましてや その頭にのった すごくいばった帽子ときては もっと嫌い でも 僕には 誰が校長先生なのか わからない 校長先生の帽子も みつからない 誰にも見つからない その世に存在したことのない 校長先生の帽子が 風に吹かれて 日盛りの坂道を転がる 僕はその後をおって 痛快な思いで坂を転がる