告白  熱い風が通りの埃を掃いて、町外れの山の方に吹き抜 けていく。寝づらい夜だ。空腹は感じていない。だから、 と言うわけでもないのだが、僕は妻に「愛しているか い」と尋ねた。「いいえ」という応えは予想されたもの だったけど、それでも戸惑いはあった。これではとて も眠れない気がして、「僕は愛しているよ」と呟いてみる。