伊東日記  12月1日

 9月の中頃に横浜から伊東に移ってきた。窓からはいつも海が見える。まだ、 伊東生活は3か月に満たないわけだが、この海が見える贅沢に対して不感症 になりつつある。それでも、伊東から東京に出かける列車では、断然海側の席を選ぶ 。家の窓からいつでも見えている海に比べて、車窓から見える海なんて ケチなもので、ほとんどは畑や家の屋根ばかりだというのに、 どうしたことだろう。
 さて、伊東といえば温泉である。これは、歩いて2分ほどの近所に誰でも17 0円で入れる温泉銭湯がある。子どもたちは、これはただの銭湯と変 わりがない。温泉らしい有り難みがないといって、家の風呂に使っているが、 私は天気のよい日には温泉にいく。昼の3時頃の銭湯はお爺さんばかりだ。私は、 ちょっとだけ若いわけで、何となくなにをしているヒトだろうという視線を感 じる。ほぼ100%がご近所のヒトなのだから、不審な目は仕方がない。馴染 んでもらうのを待つばかりだ。

くまの生活バックナンバー
●No.01「熊として、はじめに一言」
●No.02「事実としての熊の生活」
●No.03「このごろのベリーグッドのこと」
●No.04「ベリー・グッドの町起こし」
●No.05『「ああ」の周辺』のこと
●No.06 私はいつも本当のことが言えなくて
●No.07 未来についてどんな嘘がつけるのか
●No.08 曖昧な記憶と断片しかない過去
●No.09 床屋の政談
●No.10 横田さんの絵
●No.11 伊東日記

E-Mail : kumataro@poetry.gr.jp



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